自動車の塗装色はあらかじめ用意されているわけではありません【宇都宮市・壬生町の車検、鈑金塗装】

鈑金塗装に関するお問い合わせで、たまに「トヨタの○○○という色ありますか?」といった質問をされることがあります。
おそらくカー用品店で売られているタッチアップペンをイメージされているのでしょう。
自動車の塗装色は各メーカーごとにたくさんの種類があって、新しい車種の発売にあわせて新色が登場したりしますので、その全種類数は把握できませんが、全メーカーを合計すると数百あるいは千以上あるのかもしれません。
したがって、弊社のような整備工場において、すべての色を常備しておくことは不可能です。
が、どんな塗装色でも、ほぼ全て塗装することが可能です。
なぜなら、自動車の塗装色はあらかじめ用意されているものではなくて、塗装する際に調色して作るものだからです。
通常、数十から百色前後の原色を用意しておいて、塗装する自動車の色に合わせて原色を配合して色を作ります。

例えば、今、弊社の事務所前にあるスイフトの塗装色は、「ZRJ」というカラー番号で「アブレイズレッドパール」という名称で呼ばれています。

2014-05-10 17 36 04

この「アブレイズレッドパール」という塗装色の場合、弊社で使用している関西ペイントのPGHBというシリーズであれば、100gの塗装色を作るにあたり、以下のように7種類の原色を配合するわけです。

原色No
原色名
指示量
配合率
680 ライブレッド
56.4
56.42
684 ディープレッドHS
14.6
14.62
287L パールリキッドクリスタルレッド
11.2
11.19
289 パールリキッドシャイニーレッド
7.2
7.23
338 ブライトレッドHS
5.9
5.88
003 スカシコントロールザイ
4.1
4.08
651 グリントベース
0.6
0.58
100.0
100.00

塗料の配合に際しては、0.1グラム単位で計量できるデジタル計量器を利用します。
そうして配合されてできあがった塗装色が、車の色にぴったり合うかというと、そういうわけではありません。
同じカラーナンバーの車でも1台ごとに微妙に色が違っていたりしますし、同じ1台の車でもフェンダーとバンパーでは色が異なっていたりします。
したがって、上記のようなデータを元に色を配合した後に、実際の車と見比べながら調色作業を行うわけです。
それでも100%完璧な色合わせというのは不可能なのですが、ちょっと見ただけでは見分けがつかないような塗装を行うのがプロの仕事なのです。

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