平成13年式、15.5万km走行のジムニー(JB23W)。
車検でお預かりしたのですが、排ガスの数値(HC)が基準値を大幅にオーバーしています。
HCの数値のみが高いということは、燃調が薄すぎて失火しているか、別の理由で失火して生ガスが排出されていることになります。
エンジンオイル、エレメントの交換、スパークプラグの交換など、基本的な整備は実施済み。
圧縮を測ってみると、2番がやや低めだったので、圧縮抜けにより点火状態が悪くなっていることが推察されました。
試しに2番だけインジェクターをカットしてみましたが、あまり数値は下がりません。
というわけで、数値が下がらないのには他に理由がありそうです。
排ガスの数値が下がらない場合に、まず最初に疑われるのはO2センサー不良です。
関連するエラーコードは拾っていませんでしたが、オシロスコープで波形を見てみることにしました。
波形を見ると、O2センサーがほとんど反応していないことがわかりましたので、さっそく、O2センサーを新しいものと交換することとしました。
O2センサー交換後は、リッチ信号とリーン信号を繰り返すキレイな波形となりました。
HCの数値もかなり下がったのですが、わずかに基準値を上回っています。
次は、触媒の状態を見てみることにしました。
ファイバースコープで中を覗いてみたのですが、何と触媒が見あたりません!
たまたま、社内にスクラップの同型車種があったので、そちらの触媒を外して比較してみました。
スクラップ車から外したものは、内部にちゃんと触媒が確認されました。
今回の車両は、前オーナーが触媒を外してしまったのかもしれません。
触媒を付け替えると、HCの数値も規定値内に納まりました。
ちょっと時間がかかりましたが、無事に車検に合格することができました。