平成15年式、20.7万km走行のデュトロダンプ(XZU321T)。
2速、4速、バックにシフトが入らないということで入庫しました。
シフトが入りづらい場合、いくつかの原因が考えられます。
クラッチの切れが悪い、シフトリンク機構の不具合、ミッション内部の損傷といったものです。
目視点検したところクラッチの切れは悪くなさそうですし、クラッチの切れが悪い場合、エンジンを切った状態であればシフトが入るのですが、エンジンを切った状態でもシフトの入りが悪いです。また、クラッチの切れが悪い場合はすべてのシフトが入りにくくなるはずですが、1速、3速、5速は問題なく入ります。
シフトレバー周りには特に問題は見つけられず、シフトケーブル自体やその固定にも問題はなさそうに見えます。
入りが悪い2速、4速、バックは、いずれもシフトレバーを前に押し込む側にあります。
シフトレバーを前に押し込んだ場合、シフトケーブルが押されてミッションのレバーを回転させるのですが、どうやらそのストロークが不足しているためにミッション側のレバーが十分に回転しないようです。
試しに手でミッション側のレバーを動かしてみるとシフトが入りますので、シフトケーブルのストロークが不足していることが原因と考えて間違いなさそうです。
多少の調整はできるようになっていますが、調整してもストロークが足りません。
長期間の使用でケーブルが伸びてしまうことはあっても、縮んでしまうことは考えられません。
考えてもよくわからないので、まずは新しいケーブルを手配してみることにしました。
新しいケーブルを手配して新旧ケーブルを比較してみたところ、原因がわかりました。
ケーブル自体の長さは変わっていないのですが、ケーブルの外側のチューブが数センチ伸びていました。
チューブが伸びてその経路が長くなったのにケーブルの長さは変わっていないため、チューブの端から外に出る部分の長さが短くなってしまったのです。
そのため、シフトレバーを前に倒しても、ミッション側のレバーを十分に回転させるだけのストロークが確保できなくなってしまったということです。
原因がわかったので、シフトケーブルとセレクトケーブルを交換すると、問題なくシフトチェンジできるようになりました。