皆さんがお乗りのお車には、たいていスペアタイヤが装備されていると思います。
しかし、このスペアタイヤは、道路運送車両法の保安基準で義務づけられたものではないので、これを積んでいなくても全く問題なく車検には受かります(車検場で見られることもありません)。
近頃の新車は、標準仕様でスペアタイヤの代わりにパンク修理キットが装備されているものも多いので、スペアタイヤを積んでいない車も増えてきていまず。
でもやはり、スペアタイヤがないと不安だということで、オプションでスペアタイヤを装着されるお客様も多いのですが、中にはスペアタイヤを積むスペース自体がない車種もあるので困ってしまいます。
タイヤのトレッド面に釘がささったようなパンクであればパンク修理キットも使えるのですが、縁石でサイドウォールを傷つけたようなパンクでは修理キットを使うことができません。
また、一度パンク修理キットを使ってしまうと、修理可能なパンクであってもタイヤの再使用ができなくなってしまうという大きな欠点もあるのです。
なので、やっぱりスペアタイヤを積んでおく方が安心ですよね。
ところで、このスペアタイヤ、トラックやRV車以外の普通の乗用車の場合、普通に装着しているタイヤとは異なる応急用タイヤが装備されているのが一般的です。
TEMPORARY USE ONLYつまり一時的な利用に限られるというわけです
省スペースの観点からこのような応急タイヤが装備されているものと思われますが、見た目がコンパクトというだけではなくて、その他にも大きな違いがあります。
それは、指定空気圧です。
通常のタイヤの指定空気圧は200~240kpa程度ですが、応急用タイヤの指定空気圧は420kpaもあるのです。
これは、タイヤが細いことに加え、柔らかいバイアスタイヤであるため、高い空気圧でないと車重を支えきれないからです。
しかし、普通に装着されているタイヤと異なり、スペアタイヤの空気圧はほとんど点検されないため、空気圧がかなり低下しているケースが多いのが実情です。
これではせっかくのスペアタイヤも、いざという時に役に立ちません。
当店では、車検整備の際に、装着されている4本のタイヤのみならず、スペアタイヤの空気圧の調整、バルブの点検も必ず行いますのでご安心下さい。
法定点検項目の一つなので当たり前といえば当たり前なのですが、手抜きされていても気づきにくい箇所ですので、格安車検等をご利用の方はご注意下さい。