平成23年式、8.5万km走行の日産マーチ(K13)。
CVTの警告灯が点灯したため、車検とあわせて作業のご依頼をいただきました。
P0846(油圧センサー不良)のエラーコードを拾いました。
このエラーが出た場合、以前はCVTアッセンブリー交換とされていたのですが、それではあまりにもお客様の負担が大きくなってしまいますので、現在は、コントロールバルブ(バルブボディ)Assyのみの部品供給がなされています。
ただし、メーカーの整備書にはCVTアッセンブリー交換の記載しかありませんので、コントロールバルブ交換要領をディーラー様から提供していただきました。
この交換要領によれば、コントロールバルブのみで交換できる条件があって、所定のエラーコード以外のエラーコードが表示されていないことに加え、オイルパン上に破損した部品が見られないことが挙げられています。
つまり、コントロールバルブAssyが部品として供給されていても、条件によってはCVTアッセンブリー交換が必要になるということです。
さっそく、CVTFを抜いてオイルパンを外してみましたが、オイルパンの中やマグネット部分には、細かな鉄粉粒子以外の金属片などは見られませんでした。
というわけで、コントロールバルブAssy単体での交換を行うこととしました。
コントロールバルブを取り外すためには事前に上部のユニットコネクタを取り外す必要がありますが、スペースが狭く、締め付けが固いために、回転させて取り外すのにかなり苦労しました。
サブストレーナーやマニュアルプレートなどを取り外し、コントロールバルブ取り付けボルトを緩めていくと、大量のCVTFが流れ出してきます。
無事にコントロールバルブを取り外すことができました。
コントロールバルブやストレーナーの裏側は、鉄粉で黒く汚れています。
コントロールバルブを取り外すと、普段は見ることができないCVTベルトの一部をのぞき見ることができます。
新しいコントロールバルブを取り付け、マニュアルプレート&スプリング、サブストレーナーなどを組み付けます。
ここまで来れば、あとはいつものCVTF交換作業と同じです。
新しいストレーナーを組み付け清掃したオイルパンを取り付けたら、抜き取った分プラスアルファのCVTFを充填し、油温を合わせてオーバーフローで量調整します。
最後に、キャリブレーションデータの消去、読み込み、学習値の消去、CVTフルード劣化度データ消去、クラッチ学習などを行って、作業完了となります。