キャリィトラック コンデンサーファン交換
走行距離7.2万km、平成20年式のキャリィトラック。
走行中は良いのだが、信号待ちなどの停車中に冷房が効かなくなるとの症状で入庫。
この症状は、コンデンサーファンの不良でほぼ間違いなしですが、念のためファンモーターにバッテリーを直結してみたところ、やはりファンは回りません。
というわけで、ファンモーターの交換です。
ファンモーターだけを交換したいのですが、この車両はコンデンサーを外さないとファンが外せない構造となっているため、クーラーガスを回収し、コンデンサーを外しました。
さらに、故障しているのはモーターだけなので、モーター単体で部品が出れば良かったのですが、この車両ではファンシュラウド一体でしか部品が出ないため、無駄に部品代が高くなってしまいます。
新しいコンデンサーファンを取り付けて、コンデンサーを元に戻した後に、真空引きを行いクーラーガスを規定量充填しました。
停車時でもよく冷えるようになりました。
ポルシェ914 ヘッドライト不点灯修理
以前は別の車両に乗っていたお客様が個人売買で入手されたポルシェ914。
ヘッドライトのハイビームとフォグランプが点灯しないということで入庫しました。
初めて入庫する車種ですしノーマル状態でもないので、修理できるかどうかちょっと不安でしたが、とりあえずお預かりして点検してみることに。
ハイビームが点灯しない原因は簡単に特定できました。
ヘッドライトリレーがウチのカルマンギアと同じだったので、試しに交換してみたところちゃんと点灯します。
ということで、リレーを新しいものに交換することで解決です。
ところが、フォグランプが点灯しない原因を特定するまでには、ずいぶんと頭を悩ませることとなりました。
ヒューズボックス裏側のリレーが一つ付いていないことがわかり、それがフォグランプのリレーであることもわかりました。
隣に付いているホーンリレーと同じマルチファンクションリレーが付くようになっていたので、とりあえずホーンリレーを代わりに取り付けてフォグランプのスイッチを入れてみると、すぐにヒューズが切れてしまいます。
いずれにしても、リレーは必要となるので、リレーを手配して届くまでの間に原因を特定しようと試みました。
フォグランプの外してバッテリーに直結してみるとちゃんと点灯するので、球切れではないし、フォグランプ自体には問題なさそうです。(←結果的にはこの判断が間違っていたのですが…)
となると、配線がどこかで短絡しているためにヒューズが飛んでしまうと考えられます。
しかし、配線をたどって短絡している箇所を特定するのは困難なので、新たにバッテリーから配線を引きなおして、そこにリレースイッチを追加することにしました。
しかし、それでも問題は全く改善されず、スイッチを入れるとヒューズが飛んでしまいます。
フォグランプの手前まではちゃんと12Vの電圧が来ていて、フォグランプ単体で抵抗を計ると短絡しているわけではないのに、フォグランプと電源を接続してスイッチを入れるとヒューズが飛んでしまう。なぜ???
フォグランプを分解してみて、ようやくその原因がわかりました。
このフォグランプにはH3バルブが使用されていたのですが、不思議な加工がしてあって、プラスとマイナスが逆に接続されていました。
通常、H3バルブはプラス側は配線に接続するのですが、マイナス側はフォグランプボディに接続されて車両のボディアースにつながる仕組みになっています。
ところが、このフォグランプではプラス側の配線がボディーアースに接続され、マイナス側の配線が本来プラスが接続されるところに結線されるように加工されていたのです。
そのため、手持ちのバッテリーに接続した場合にはプラスとマイナスが逆でもライトは点灯するし、プラスとマイナスの配線間の抵抗を計っても短絡していないわけです。
しかし、車載のバッテリーから電源を供給した場合には、バッテリーのマイナスはボディにつながっているので、フォグランプのスイッチを入れた瞬間にショートしてヒューズが飛んでしまうというわけです。
わかってしまえば何てことのない原因ですし、いつ誰がこんな加工をしたのかわかりませんが、まさかこんなことになっているとは思いもしないので、ずいぶんと遠回りしてしまいました。
以前のオーナーさんは、なぜかスイッチを入れるとヒューズが飛んでしまうので、リレー自体を外して使えなくしていたのだと思われます。
新しいH3バルブに付けかえて、無事にフォグランプは点灯するようになりましたが、ちょっとびっくりして、間違えて加工された箇所の写真は撮り忘れてしまいました…
フォレスター ヘッドライト浸水修理
走行距離14.9万km、平成18年式のフォレスター(SG5)。
結露とか水滴とかいうレベルではなく、ヘッドライトユニットの中で金魚が飼えそうなくらい浸水しています。
ユニット下部に取り付けられたバラストが浸水して故障してしまったのか、ヘッドライトも点灯しないようです。
水の浸入箇所は特定できませんが、ヘッドライトユニットのガスケットが劣化して浸水しているものと考えられます。
ヘッドライトユニットを新品に交換してしまえば早いし確実なのですが、新品のヘッドライトユニットはかなり高額ですし、中古のユニットでは同じように浸水する恐れもありますので、今回は修理で対応することとなりました。
とりあえず、バンパーを外して、ヘッドライトユニットを取り外します。
続いて、ヘッドライトユニットのカバーと本体を分離します。
通常、ドライヤーなどで温めながらガスケットを柔らかくして分離するのですが、ほとんど温めなくても簡単に分離しました。
それだけ、ガスケットが劣化していたということでしょう。
ウィンカーバルブ周囲の汚れが特に激しいので、おそらくこのあたりのガスケットが劣化して水が浸入していたものと推察されます。
古いガスケットを剥がし、キレイに掃除してから、新しいガスケットを取り付けてユニットを組み付けます。
故障したバラストは新しいものと交換し、ユニットを車両に取り付けました。
浸水していたのは左側だけだったのですが、予防措置として右側も同じ処置をすることとしました。
ガスケットを交換しただけではまた浸水する恐れもあるので、見た目はかっこよくないのですが、お客様の了解を得て、念のための処置として、上からシーリング材も塗布しました。
ボンネットを閉めたら見えなくなる箇所なのでそのままでも良いかとも思ったのですが、少しでも目立たない方が良いと思い、塗ったシーリング材を黒色に塗装して仕上げました。
コロナプレミオ オルタネータ交換
平成13年式、走行距離8.4万kmのコロナプレミオ(AT211)。
バッテリー上がりということで、バッテリー交換のご依頼をいただいたのですが、念のため専用テスターで充電状態を確認してみたところ、リップル電圧がかなり高く、オルタネーター異常が疑われました。
オシロスコープで充電時のリップル波形を確認してみると、明らかに異常な波形が見られました。
これは、ダイオードが短絡した波形か、ステータコイルが断線した波形のようです。
さっそくお客様の了解を得てリビルト品のオルタネータを手配し、交換しました。
オルタネータとバッテリーを交換後にリップル波形を確認したところ、正常な波形が見られました。
単純なバッテリー上がりと思いこみ、バッテリーだけを新しいものに交換していたら、数日後にまたバッテリーが上がってしまったことでしょう。
念のために点検して良かったです。
ジャガーXJ6 デファレンシャルギアオイル漏れ修理他
デファレンシャルギアからのオイル漏れで入庫した平成8年式ジャガーXJ6。
リフトアップしてオイル漏れ箇所を確認すると、
どうやら、デファレンシャルピニオンのオイルシールから漏れているようです。
ショックアブソーバーのブッシュも交換する必要があったので、リアクロスメンバーをそっくり降ろして作業することとしました。
オイルシールからの漏れを確認し、新しいオイルシールに交換しました。
ショックアブソーバーのブッシュも新しいものに交換した後、クロスメンバーを組み付けて完了。