ヴェルファイア トルコン太郎でATF交換
平成21年式、8.8万km走行のヴェルファイア(GGH20)。
トルコン太郎でATF交換です。
まず、ATFのドレンプラグとオーバーフローチューブを取り外して、オイルパン内のATFを抜き取ります。
トヨタの場合、抜き取り用のドレンプラグと量調整用のオーバーフロープラグが別々に設けられている車種と、抜き取りと量調整を同じプラグで行う車種がありますが、この車は後者のタイプです。
オイルパン内のATFを抜き取ったら、オイルパンを取り外して清掃するとともに、ストレーナーを交換します。
オイルパンを元通りに取り付けたら、抜けた分のフルードを補充した後、ATFクーラーラインにバイパスホースを接続して、ATFの圧送交換を行います。
今回は、ワコーズATFセーフティスペックを13L使用して交換しました。
交換後のクリーナーモニターのATFは、新油同様の透明度とはいきませんが、最初に抜き取ったATF(ビーカー)と比較するとかなり赤味と透明度が増していることがわかるかと思います。
最後に、油温検出モードで油温を調整しながら、オーバーフローチューブから余分なATFを抜き取って量調整します。
抜き取られたATFは、かなり透明度が高いことがわかると思います。
ヴェゼルHV 自損事故でフロント周り修理
平成26年式ホンダヴェゼルHV。
自損事故でフロント周りを破損したのですが、車両保険に加入されていないため、自費修理です。
電柱のようなものに衝突したらしく、フロントの中央が大きく凹んでいます。
フロントバンパーを外してみると、バンパービームが押されて、クーラーコンデンサーとラジエターが変形し、さらに、バルクヘッドやサイドフレームも大きく曲がっています。
修理のため、ボンネット、バンパービーム、クーラーコンデンサー、ラジエター、ヘッドライト等を外します。
この後、バルクヘッドやウォッシャータンクも外しましたが、なるべく費用を抑えるため、今回はエンジンは下ろさずに修理します。
大きく曲がったサイドフレームは引っ張っただけではなかなか元に戻らないため、ガスで炙りながら形を戻しました。
再度フレームのおおよその修正が終わったら、バルクヘッドパネルを仮付けして、レーザー光で確認しながら正確にセンター出しを行います。
このセンター出しをちゃんと行っておかないと、ヘッドライトやバンパーがキレイに取り付け出来ません。
センター出し、フィッティング作業が完了したら、仮付けしたパーツを取り外し、それぞれのパーツを塗装します。
水温センサーに接続するカプラーが破損していましたが、メーカーから交換部品として供給されるのはワイヤーハーネス一体のもので、3万円以上と高額です。
今回は自費修理のため費用をできるだけ抑えたかったので、同型のカプラーキットを探して、カプラー部分だけを交換したことで、部品代は数百円で済みました。
塗装が終わったら、各部品を取り付けます。
破損したラジエター、クーラーコンデンサーは社外新品に交換、ファンシュラウドやファンは破損していましたが、ファンモーターは再利用しました。
左右のヘッドライトも取り付けステー等が破損していましたが、部品が高額であるため、修理して再利用しました。
ラジエターとクーラーコンデンサーを取り付けた後は、冷却水の補充、エア抜き、冷却系統の真空引きを行います。
事故の際にコンデンサーが破損し、冷媒ガスと一緒にコンプレッサーオイルも多量に漏れ出ていたので、ガス補充時にコンプレッサーオイルも補充しました。
この車両はハイブリッド車で、電動コンプレッサーが採用されているため、従来のオイルとは異なる絶縁オイルを使用する必要があります。
従来のオイルと混じることがないように、ゲージマニホールドも専用のものを使います。
事故時に多数のエラーコードを拾っていたので、一度、エラーコードを消去した後、再度、自己診断を行いましたが、エラーがすべて解消されていることを確認しました。
ルークス エバポレーター交換
平成22年式、2.6万km走行の日産ルークス(ML21S)。
エアコンのガス漏れで、他業者様からの入庫です。
この車種はスズキのOEMで、エバポレーターからのガス漏れに対して保証延長が出ていましたが、残念ながら入庫時点で既に保証期間は終了していたため、自費修理となります。
エバポレーターからのガス漏れが頻発している車種とはいえ、いきなりそこに決めつけるのは危険なので、蛍光剤入りのガスやリークテスターなどを用いてひととおり点検した上で、おそらく間違いないだろうと判断して作業にかかります。
まずは、メーター周り、オーディオ周り、グローブボックス周りを分解し、インストルメントパネルの取り外し準備にかかります。
そして、インストルメントパネルを取り外すと、エアコンユニットが見えてきます。
次に、エンジンルーム側から、ヒーターコアにつながるホースと、エキスパンションバルブにつながるパイプを外します。
そうすると、エアコンユニットを取り外すことができます。
さらに取り外したエアコンユニットを分解してエバポレーターを取り出すと、予想通りガス漏れの跡が見られました。
新しいエバポレーターは対策品らしく、少し形状が異なっています。
新しいエバポレーター、エキスパンションバルブ、サーミスタを組み付けたエアコンユニットを車両に取り付け、各部を元通りに組み付けたら、真空引きを行った後に規定量のガスを注入して作業終了です。
モビリオ オルタネーター交換など
平成16年式、15万km走行のホンダモビリオ(GB2)。
アイドリング中にエンジンが停止し再始動できなくなったために、レッカー搬送されてきました。
症状としてはバッテリーが上がってスターターモーターが回らない状態ですが、さっきまで動いていたエンジンが止まってスターターが回らないということは、ちゃんと充電がされていないものと考えられます。
というわけで、とりあえずジャンピングでエンジンを始動して、オシロスコープでオルタネーターのリップル波形を確認してみました。
これはもう典型的なオルタネーター不良の波形で、その形から判断すると、ダイオードが1個断線しているものと思われます。
さっそくリビルトのオルタネーターを手配して交換することとしました。
また、お客様の要望で、ついでにスターターモーターも交換することになりました。
オルタネーター交換後のリップル波形を確認すると、正常な波形が見られました。
バッテリーはまだ新しいものだったので、今回は充電して使用することとしました。
タイタン 警告ブザー鳴りやまず
平成4年式のマツダ タイタン。
バキュームタンクの警告ブザーが鳴り止まなくなったということで入庫です。
この警告ブザーは、ブレーキの倍力装置等に利用する負圧が不足したときに鳴るものなので、まずは、バキューム点検を行います。
バキュームホースに負圧計を接続しエンジンを始動すると、みるみる圧力が低下して規定の負圧に到達し、エンジンを切ってもその負圧が維持されます。
つまり、バキュームポンプにもタンクにも異常がないということです。
次にバキュームスイッチの点検です。
このスイッチは少し前に交換したもので、点検の結果、機能に問題はありませんでした。
となると、あとは配線の短絡(地絡)しか考えられませんが、短絡箇所を探すのはとても困難ですし、修理も難しいです。
今回はおそらくメーター基盤内での短絡の可能性が高かったので、短絡箇所を探すのはやめて、新たに配線を引きなおすことにしました。
ブザーには、イグニッションONで黄色い配線からプラスの電流が流れます。
そして、緑色の配線がマイナスアースに接続されると音が鳴る仕組みのようです。
なので、ブザーの緑色の配線に新たな長いコードをつなぎ、
その先端を、バキュームスイッチに接続すればOKです。
古い配線は切断して、先端に絶縁テープを巻いておきます。
最後に、イグニッションONでブザーが鳴り、エンジン始動後しばらくしてブザーが鳴りやむことを確認しました。